平和を形に
北海道や北陸などで、記録的な大雪が降り、日常生活にも大きな影響をきたしている地域のみなさまには、心からお見舞いを申し上げます。いつも以上に頻繁に雪かきもせざるをえず、それだけ事故のリスクも増えます。車のスリップ事故など生活のあらゆる場面での安全をお祈りしています。気象庁が阿蘇山の噴火警戒レベルを2から3に引き上げたのも気になります。
また、ロシアがウクライナに侵攻しました。ウクライナとロシア双方の軍だけでなく、ウクライナでは民間人にも死傷者が出ているという報道もあります。ロシアがチェルノブイリ原発を占拠したという報道もあるなど、不安なニュースばかりが流れてきます。この世界には良い戦争もなければ正しい戦争もありません。また、戦争は2国間の関係悪化だけで生じるものばかりとも限りません。当事国以外の思惑なども絡みます。
戦争で最も影響を受けるのは民間人です。民間人の犠牲者がすでに出ているという報道もあります。女性や子どもなどへの暴力が増えないか心配でもあります。戦争がどれほど短い期間で終わろうと、その影響は長く続く恐れがあります。一日も早く人々が安心して暮らせる日常が取り戻せることを祈っています。
ずらしながらつながる
今月投稿した「恵方巻と食品ロス」という文章のなかで「six degrees of separation(6次の隔たり)」についてふれました。自分の知り合いの知り合いの・・・と、自分から数えて6人目までたどると世界中の誰とでもつながれるというお話です。
「みんな仲良く」というのは平和ボケした人間のたわごとかもしれません。しかし「私」と「あの人」は仲良くなれなくても「私が分かり合える誰か」がさらにその人が分かり合える誰かとつながっていき、少しずつ人とのつながりをずらしながら、そこからたどって6人目で「私」は「あの人」にたどり着けます。「知り合い」全員と分かり合えるとは限りませんが、知り合いのなかに分かり合える人や、相手人やその人の大切な人に何かおきれば心配になるという関係の人が1人でもいれば、みんながお互いには仲良くできなくても間接的には友好的につながれます。そのような世界を考えてみることも、お互いに平和に暮らす一つの方法として「アリ」ではないかと、ふと思いました。
私たちは理想の社会という夢を形にする
繰り返しになりますが、これは平和ボケの人間のたわごとかもしれません。理想論すぎる、実際には不可能だと言われることかもしれません。しかし、NPOやボランティア活動を通じて、私たちは多くの不可能を可能にしてきたのではないでしょうか。「こういう社会になったらいいな」と理想の社会を描き(ビジョン)、それを形にすることをうたって(ミッション)活動してきたのではないでしょうか。
SNSに平和を願う署名を集めたり、街頭で行進して平和を叫ぶことだけが平和活動ではありません。ご自身のまわりでウクライナやロシアにルーツのある方に限らず、報道で不安な気持ちになった人たちがいないか、(コロナ禍での接触の制限はありますが)目を配ってみることも大切な活動です。子ども食堂や子育て支援活動なども、そのような目配りのよいきっかけになります。平和への夢を形にする方法はさまざまですし、普段のご自身(たち)の活動のなかでできることはいろいろあります。
サイバーセキュリティの確認・強化を
最後に、NPOのみなさんに経済産業省は23日、企業の経営者に対し「昨今の情勢を踏まえ」サイバーセキュリティの強化を呼びかけました。企業だけでなくNPOも取り組むべきと思いますので、不正アクセス防止の強化や活動拠点のパソコンだけでなく、遠隔で活動するスタッフやボランティアなどが使用しているパソコンのセキュリティソフトが最新かどうかなど、至急確認し対策をとってください。
歴史的に複雑な関係がある地域だとは思いますが、その複雑な関係を作り、利用しているのは誰なのか。戦争は本当に市民の考え、願う手段なのか。平和な世界を願い続けたいと思います。昨年から、アメリカと日本の人たちで毎月開催するpeace meeting(平和と平和のためのリーダーシップのあり方を考える会議)に参加していて、進行直前でしたが平和のためのリーダーシップを望みますというメッセージをロシアやウクライナ、日本の政治リーダーたちに送ったところでしたが・・・。あきらめず、平和のための願いを形にしていきたいと思います。
そして、雪の影響・被害が引き続き心配される地域のみなさま、これ以上大きな影響がないことをお祈りしています。
(中原)
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