8月6日は、自分の原点と目標を見つめ直す日

今日は、8月6日です。

1945年のこの日の午前8時15分、広島上空でアメリカ軍が投下した原子爆弾が一瞬にして町を焼き、多くの犠牲者がでました。正確な犠牲者数は分かっていませんが、1945年12月までに約14万人が亡くなった(広島市のウェブサイト)と推計されています。3日後の8月9日午前11時2分、今度は長崎に原爆が投下され、1945年12月までに7万人以上が亡くなったとされています(長崎市のウェブサイト)。

高校1年生のとき学校が主催した広島へのスタディツアーに参加して、私の心は大きく揺さぶられました。実は、事前学習を重ねていくうちに、何度か同じ写真や映像を見たりすることがあったので、「あぁ、あの話ね」と、私はなんだかいろいろ知った気になっていたところがありました。現地に行き、頭でっかちで知ったかぶりの自分の慢心にショックを受けました。一方で、平和とは「戦争がない」ということだけでは不十分だということや、無関心や知ろうとしないことの怖さ、そして差別は戦争と同じくらいに恐ろしく悲しいものだと感じました。

これらの広島での経験が、大学で学びたいことを決め、そして結果的にNPOに関わり続けることになりました。

原爆投下から76年経ちますが、原爆に限らず第二次世界大戦を知る人たちの、戦争の恐ろしさや平和を願う気持ちが過去に取り残されてはいけないと思います。平和というのは維持する努力をしないと、儚く消えてしまいます。それではいけないと立ち上がり、被爆者や戦争体験者の体験や想いを受け継ぎ、様々なかたちで語り継いでいこうとする若い世代がいることは、心強いです。

大学時代、ゼミの先生に「10代で、自分の価値観に大きな影響を与える経験ができることは幸せだ」という趣旨のことを言われたのを覚えています。10代ではなくても、遅すぎることはないとは思いますが、広島に行ったことが私の人格形成や人生の早いうちから大きな影響を与えたことは確かです。

そのようなわけで、8月6日は私にとって特別な1日です。今年も、犠牲となった方々の安らかな眠りのためにも平和を祈り、自分が何を何のためにしたいのかという、自分の原点と行く先を見つめ直す日とします。

(中原)